「ガウディのような庭にしたい」から始まった|トレンカディスで仕上げた約3mのモザイクベンチ

「ガウディのような庭にしたい」から始まりました

個人邸のお庭に、約3mのモザイクベンチを制作しました。2015年頃の仕事です。

はじまりは、デザイナーの福元敬子さんからのご連絡でした。施主の方が「ガウディのようなデザインの庭にしたい」とおっしゃっている、と。

お庭のデザインは福元敬子さん、設計・施工は株式会社創園舎様。モザイクは、図案から制作まで当方が担当しました。

庭のモザイクベンチ全景と太陽のメダイヨン
約3mのモザイクベンチと、壁面の太陽のメダイヨン

屋号の由来

「タイルショップ・ガウディ」という屋号は、バルセロナのアントニオ・ガウディの作品に感銘を受けて付けました。

割れたタイルで曲面を覆うトレンカディスという手法があります。グエル公園のベンチや、カサ・バトリョの壁面に使われている、あの技法です。国内でこれを扱える者は多くありません。

S字を描く、約3mのベンチ

ベンチは二つの弧をつないだS字のかたちで、全長は約3mあります。

座面はトレンカディスで仕上げました。割ったタイルを敷き詰め、一片ずつのかたちに合わせて隣を決めていきます。規格品を並べる手法では、この曲面には乗りません。

縁には小口のタイルを8列に回しました。青と黄が波打つように流れていきます。座ったとき、ひざの裏が当たるカーブは、人にやさしい形です。そのカーブにモザイクタイルを添わせるのは、必然でした。

庭のモザイクベンチを上から見たところ
俯瞰。S字の全体と、縁を8列に回した帯が見える

太陽のメダイヨンは、一片ずつ手で切りました

壁面に据えた太陽と月のメダイヨンは、ハンドカットです。タイルを一片ずつ手で切り、放射状に組み上げました。

制作中の太陽のメダイヨン
制作中の太陽のメダイヨン

グエル公園の回廊の天井を飾る、あの太陽のメダイヨン。実はガウディ本人の手によるものではなく、彼のもとで働いたジュジョール(ジョゼップ・マリア・ジュジョール)の仕事です。

そうした細部まで見たうえで、模写ではない一点としておつくりしました。

ハンドカットはメダイヨンだけではありません。ベンチの側面には、グエル公園でも見られる魚と星のモチーフを入れました。ここも一片ずつ切り出しています。

庭の他の場所にも

門柱の側には、木をモチーフにしたモザイクが立ち上がっています。庭の立水栓にもタイルを施しました。

ベンチ単体ではなく、庭のなかでモザイクが点在するかたちです。オリーブの木と下草に囲まれた小さな空間が、一年を通して光の当たり方で表情を変える場所になりました。

お庭全体の様子は、設計・施工を担当された株式会社創園舎様の事例ページに詳しく掲載されています。ベンチ・ウォール・立水栓へのタイル施工から、テラスガーデンのリフォームまで、庭がどう変わったかがご覧いただけます。

2つの手法を使い分けます

トレンカディスは、割ったタイルで曲面を覆う手法です。ベンチの座面のような三次元の面に使います。

ハンドカットは、一片ずつ手で切る手法です。メダイヨンのように図案を組む面に使います。

どちらも既製のタイルを並べる手法とは違い、曲面に沿わせることも、色を少しずつ移らせることもできます。場所と図案とご予算をうかがって、どちらで組むかご提案します。

トレンカディスという手法そのものについては、なぜ店名が「ガウディ」なのか|25年前のバルセロナのメモからでくわしく書いています。2001年に現地で撮った写真も載せました。

ご相談ください

お庭やエクステリアにモザイクを入れたい方は、設置場所のお写真とご予算感をお知らせください。

法人のお客様の制作例は NATSUKO MOSAIC に掲載しています。

上部へスクロール